仕事中、突然吐き気が起こる。
会議などで緊張すると症状が強まり、時には実際に吐いてしまう。
そんな状態が続けば、仕事にも大きな支障が出てしまいます。
吐き気というと、まず胃腸の問題を考える方が多いと思います。
しかし、首や肩の不調と同じタイミングで吐き気が起こるケースもあります。
今回は、長年の首の不調に加え、仕事中の吐き気やえづきに悩まされていた30代男性のケースをご紹介します。
30代の男性システムエンジニア。
普段から一日中、パソコンを使う仕事をされていました。
小学生の頃からねこぜで、肩こりや頭痛も感じていました。
当時は我慢したり、家族にマッサージしてもらったりしながら過ごしていました。
20代でプログラマーとして就職すると、肩こりはさらに悪化。
首にも違和感を感じるようになり、長時間座っていると腰も痛くなりました。
マッサージを受けると一時的には楽になりますが、しばらくすると元通り。
そんな状態を長年繰り返していました。
さらに2~3年前からは、眼精疲労や頭痛も強くなり、身体が前かがみになっているという自覚も増えてきました。
そして、来院する約3か月前から新たな症状が出現します。
吐き気です。
特に仕事中や会議など、緊張する場面で起こりやすく、実際に吐いてしまうこともありました。
ご本人が気になっていたのは、吐き気が起こるタイミングです。
「首が辛い時と、吐き気が出る時が重なっている気がする」
もしかすると、長年の首の不調と関係があるのではないか。
そう考えるようになりました。
会議中に吐き気が出れば仕事に集中できず、長年続く首の違和感も不快なまま。
「何とか改善したい」
そう考えて首の専門的な治療院を探し、当院へご相談にいらっしゃいました。
初回のヒアリングでお聞きしたお悩みポイント
☑ 仕事中や会議中に吐き気が起こる
☑ 緊張するとえづきやすい
☑ 実際に吐いてしまうこともある
☑ 長年続く首・肩のこり
☑ 頭痛や眼精疲労
☑首を動かしづらい
☑長時間座っていると腰が痛む
☑吐き気によって仕事に支障が出ている
☑ ストレート姿勢が目立つ
☑ ねこぜ傾向がある
☑ 身体を支える筋肉の働きが弱い印象
☑ 首の可動域が大きく制限されている
☑ 首を後ろに倒すと詰まるような感覚がある
☑首の動きによる明確な痛みはない
今回、特に注目したのは、長年の首の不調と吐き気が重なっていたことです。
ご本人のお話では、胃腸の疾患はなく、最近の食生活にも特に問題はありませんでした。
一方で、小学生の頃からのねこぜに加え、長年のパソコン作業によって首や肩に負担がかかりやすい状態が続いていました。
首の動きも大きく制限され、身体を支える筋肉が十分に働いていない可能性がありました。
そこで僕が考えたのは、
「首や姿勢の問題が、吐き気を起こしやすい身体の状態に関係しているのではないか」
という仮説です。
吐き気や嘔吐には、脳幹の延髄を含む神経系が関わっています。
首周辺からの感覚情報や、身体の緊張状態が、こうした神経系の働きに影響している可能性を考えました。
ただし、首の不調が吐き気の原因と確定したわけではありません。
その点を踏まえ、まずは首の動きと身体を支える機能を整えながら、吐き気やえづきがどう変化するか確認する方針としました。
ご本にも説明し、同意をいただいた上で施術を開始しました。
まずは身体の過剰な警戒を落ち着かせることを目的に、頭蓋縫合(頭の骨の繋ぎ目)などへ微弱な刺激を加えました。
首を無理に動かすのではなく、身体からの感覚情報に着目したアプローチを行いました。
首の動きはかなり改善していました。
以前よりも動かしやすくなっていましたが、吐き気や頭痛にはまだ変化がありませんでした。
この回から、身体を支える支持筋へのアプローチを開始。
筋肉が適切に伸び縮みできる状態を目指し、セルフケアの指導も始めました。
首の動きはさらに改善していました。
しかし、肝心の吐き気やえづきは変わりません。
首の可動域が改善しても、吐き気がすぐに改善するわけではないことが分かりました。
引き続き、身体を支える筋肉の働きや、首・肩周辺の状態に着目して施術を進めました。
ここで初めて、吐き気に変化が見られました。
「えづくのが減ってきた気がします」
という報告がありました。
まだ完全に症状がなくなったわけではありませんが、以前よりも頻度が減ってきたようでした。
吐き気やえづきが起こることはありましたが、徐々に回数が減少。
仕事中の症状も落ち着いてきました。
連休を挟んだこともありましたが、この間は吐き気やえづきが一度も起こりませんでした。
本人にとっても、久しぶりに症状を気にせず過ごせた期間となりました。
その後は来院されなくなったため、正式な卒業ではありません。
もう少し経過を確認したかったところですが、最後の来院時には、当初悩まされていた吐き気やえづきが出ない状態になっていました。
ただし、その後の長期的な経過については確認できていません。
首と姿勢の専門家・竹井大介
首専門整体師・竹井大介
今回のケースで僕が注目したのは、
「首の不調と吐き気が同じタイミングで起こっていた」
という点です。
吐き気や嘔吐には、胃腸の問題だけでなく、神経系や自律神経、心理的な緊張など、さまざまな要素が関わります。
そのため、吐き気があるからといって、すぐに首が原因だと考えることはできません。
特に実際に嘔吐するほどの症状が続く場合には、医療機関で原因を確認することが大切です。
そのうえで、今回の方にはいくつか気になる特徴がありました。
・小学生の頃からのねこぜ
・長年続く首・肩のこり
・パソコン作業による負担
・首の可動域の大きな制限
・身体を支える筋肉の働きの低下
・首が辛い時と吐き気が出る時が重なっている
こうした背景から、首や姿勢の問題が、吐き気を起こしやすい身体の状態に関係している可能性を考えました。
吐き気や嘔吐には、脳幹の延髄を含む神経回路が関わっています。
また、首周辺には姿勢や頭の位置を感じ取るための感覚受容器が数多く存在します。
僕は、首周辺からの感覚情報や、長年続いていた身体の緊張状態が、神経系の警戒反応に影響していたのではないかと考えました。
そこで、首の動きを改善するだけでなく、身体を支える筋肉の働きや、神経系派の感覚入力にも着目しました。
結果として、興味深い経過をたどりました。
最初に改善したのは首の動きでした。
しかし、その時点では吐き気やえづきは変わりませんでした。
その後も施術を続け、5回目頃からようやくえづく頻度が減り始めました。
そして8回目には、吐き気もえづきも起こらず過ごせるようになりました。
つまり、首の動きと吐き気は、同じタイミングで改善したわけではありません。
もちろん、この経過だけで、首からの感覚情報が延髄の働きに影響していたと証明することはできません。
また、連休による仕事の負担や緊張の軽減など、施術以外の要素が関係した可能性もあります。
それでも今回のケースは、
「吐き気だから胃腸だけを見る」のではなく、首や姿勢、身体の緊張状態も含めて考える意味がある
と感じた症例でした。
首の痛みがなくても、首の動きが大きく制限されていたり、長年の肩こりや違和感が続いていたりする方はいます。
そして、そうした身体の状態が、別の不調と重なっていることもあります。
大切なのは、症状を一つずつ切り離して考えるのではなく、
「いつ、どんな状況で、どの症状が一緒に起こっているのか」
という経過を丁寧に確認すること。
今回のように、長年の首の不調と吐き気が重なっている方にとって、一つの参考になれば幸いです。
当院の吐き気など自律神経的な症状に対する考え方・施術をもっと知りたい方は、自律神経失調のページをご覧ください。
首が関与する自律神経のお悩みについて、
まずはご相談からお気軽にご連絡ください。。
〒143-0023
東京都大田区山王3丁目23-4
大森駅西口から徒歩8分
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| 午後 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
平日9:00~19:00
水曜・土曜9:00~13:00
日曜・祝日(祝日は不定期診療あり)