起立性調節障害の問題というのは、多くの場合、大人になってから突然始まるものではありません。
幼少期からの身体の使い方や姿勢のクセが積み重なり、年齢と共に様々な負荷が加わることで、徐々に症状として表面化していきます。
今回は、長年積み重なった姿勢の問題に対して、どのように考え、どう改善を目指したのかを書いていきます。
70代の男性。デザイン関係の仕事をされており、自営業として現在も現役で働かれています。
子どもの頃から猫背傾向が強く、前かがみ姿勢が習慣化していました。
仕事で長時間目を使う生活が続く中、徐々に肩こり・首こりを自覚するようになり、その後は目まい・吐き気まで出現。
特に「一定姿勢」が非常につらく、長時間の作業後には強い不調が出る状態でした。
また昔から胃腸も弱く、年齢とともに胃痛や胃もたれも悪化。病院では胃薬を処方されていましたが、大きな改善はありませんでした。
指圧には通っていたものの、
「その場では楽になるが、また戻る」
という状態を繰り返していました。
できる限り長く現役で仕事を続けたい。
ただ、この身体では限界が近づいている気がする。
そんな時、偶然事務所に入っていた「首専門」のチラシを見て、当院へ来院されました。
初回のヒアリングでお聞きしたお悩みポイント
☑ 慢性的な首こり・肩こり
☑ 一定姿勢での目まい・吐き気
☑ 長時間作業がつらい
☑ 胃の不調
☑ その場しのぎではない改善を望んでいる
☑ 強い円背・前かがみ姿勢
☑ 仰向けで頭がベッドにつかない
☑ 首・肩の可動域が著しく低下
☑ 全身の筋緊張が非常に強い
☑ 長年固定化された防御姿勢がみられる状態
身体全体が「固まって防御している」ような印象が強く、単なる筋肉の硬さだけではなく、神経系を含めた慢性的な警戒状態が背景にあると考えられました。
長時間かけて形成された姿勢である以上、短期間で大きく変えるのではなく、「身体に安全な情報を積み重ねる」ことが必要と判断。
ご本人にもその点を説明し、施術を開始しました。
頭蓋・上位胸郭・下位胸郭・骨盤周囲へアプローチ。
まずは身体に対して、
「今はそこまで警戒しなくていい」
という安全認知を促す施術を実施。
大きな変化はなし。
ここから支持筋へのアプローチとセルフケア指導を開始。
本人より、
「指圧とは違う安定感がある」
との感想。
首こり・肩こりの自覚症状は軽減傾向へ。
吐き気・目まい・胃の不調も徐々に軽減。
ただし可動域制限や頭部前方位は依然強く残存。
5回目で再度「安全認知」を重視したアプローチを強めたところ、首の可動域にわずかな改善が出現。
以降、この方向性を継続。
症状は比較的安定した状態を維持。
現在も月1ペースでメンテナンス継続中。
首の可動域や姿勢は少しずつ改善傾向を見せているものの、長年固定された身体であるため、大きな構造変化まで至っていません。
それでも本人は、
「少しでも良い状態で長く仕事を続けたい」
という目的を持ち、現在も継続されています。
首の不調専門家・竹井大介
首と姿勢の専門家・竹井大介
今回のケースは、「長年積み重なった姿勢」が起立性調節障害のような形で、身体全体に影響していた典型例だと考えています。
特に、
・幼少期からの猫背
・長時間の前かがみ作業
・長期間の筋緊張
・神経系の防御反応
これらが複雑に絡み合い、結果として首・肩だけでなく、目まい・吐き気・胃の不調にまで影響していた可能性があります。
こういったケースでは、短期間で姿勢を“矯正する”という考え方は、むしろ危険な場合もあります。
長年その姿勢で生きてきた身体は、急激な変化を嫌うからです。
そのため重要なのは、無理やり変えることではなく、
「身体が安心して変化できる状態を、時間をかけて作ること」
だと考えています。
時間はかかりますが、ロジックと継続が嚙み合えば、年齢に関係なく変化は起こり得ます。
起立性調節障害についてもっと知りたい方は、
起立性調節障害のページをご覧ください。
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