首の痛みには、ずっと痛みが続くタイプだけでなく、
「普段は何ともないのに、突然ものすごく痛くなる」
というケースもあります。
しかも病院で検査を受けても、大きな異常は見つからない。
痛みが強ければ強いほど、
「何か重大な問題があるのではないか」
と不安になるのも当然です。
今回は、数ヶ月に一度、救急車を呼ぶほどの強い首の痛みを繰り返していた30代男性のケースをご紹介します。
30代の男性会社員。
普段はデスクワークに従事していましたが、肩こりなどの自覚症状はなく、特に身体の不調を感じることなく生活していました。
最初に首を痛めたのは8年前。
朝起きた時に、寝違えのような首の痛みを感じました。
特に治療はせず、1週間ほどで自然に改善。
ところが、それ以降、数か月に一度のペースで突然首が痛くなるようになりました。
痛みは非常に強く鋭いものの、数日から1週間ほど経つと消える。
そんな状態を繰り返していました。
1年前、いつものように首が痛くなっていた時、わずかな動きをきっかけに痛みが急激に悪化。
悶絶するほどの痛みとなり、自ら救急車を呼びました。
ところが救急車が到着し、乗り込んでしばらくすると痛みは軽減。
病院ではレントゲン検査を受け、
「ストレートネックが原因かもしれない」
と説明され、痛み止めと筋弛緩剤を処方されました。
その後は再び普段通りに生活していましたが、1~2か月前から痛みが出る頻度が増え、症状が続く期間も長くなってきました。
「このまま、さらに悪くなるのではないか」
不安を感じ、病院以外の方法も探す中で当院へ来院されました。
初回のヒアリングでお聞きしたお悩みポイント
☑ 数か月に一度起こる強い首の痛み
☑ 救急車を呼ぶほどの激痛を経験
☑ 最近、痛みの頻度が増えている
☑ 痛みが続く期間も長くなっている
☑ また強い痛みが起こることへの不安
☑ 軽度のストレート姿勢
☑ 巻き肩
☑ 安静時にも軽いズキズキした痛み
☑ 首を全方向へ動かした際に痛みが出る
☑ 首の可動域が大きく制限
来院時には救急車を呼んだ時のような激痛はありませんでした。
ただし、安静にしていても軽い痛みが残り、首を動かすと左側の付け根を中心に全方向で痛みが誘発されました。
特徴的なのは、
「非常に強い痛みが突然現れ、しばらくすると消える」
という経過です。
病院で大きな異常が確認されていないことも踏まえ、痛みの強さだけだはなく、
「なぜ身体がこれほど強い痛みを発するのか」
という視点で考えました。
最初の寝違えをきっかけに、首を動かすことに対する身体の警戒が過剰になり、不定期に強い危険信号を出している可能性があるのではないか。
その仮説をご本人にも説明し、施術を開始しました。
頭蓋縫合などを中心に、身体の過剰な警戒を落ち着かせるためのアプローチを行いました。
まずは首を動かすことに対して、身体が必要以上に反応しない状態を目指しました。
初回施術後は10日ほど良好な状態が続きました。
しかし、その後再び首の痛みが強くなり、首の動きも大きく制限されました。
頭蓋縫合へのアプローチをおこなうとともに、この回から身体を支える支持筋への施術を開始。
セルフケアも指導しました。
強い痛みはピークを越え、初回来院時よりも良好な状態となりました。
首を動かした時に多少引っ掛かるような感覚は残っていました。
時折、首に引っかかるようなあ感覚はありましたが、以前のような強い痛みはほとんど出なくなりました。
そのまま経過を確認しましたが、それまでであれば一度は強い痛みが起きていた期間を過ぎても再発なし。
軽い痛みも含め、安定した状態が続きました。
強い首の痛みが出ない状態を維持できたため、施術を終了しました。
ご本人からは、
「日常生活ではそんなに変わった感じがしないのに、痛みが出なくなったのが不思議です」
という言葉もありました。
現在も、再び強い痛みを繰り返さないためにセルフケアを継続されています。
首と姿勢の専門家・竹井大介
首専門整体師・竹井大介
今回のケースで特に印象的だったのは、
「痛みの強さ」と「身体の状態」が必ずしも一致していなかったことです。
救急車を呼ぶほどの激痛が出れば、
「首に重大な問題が起きているのではないか」
と考えるのは当然です。
実際、突然の激しい痛みが起きた場合には、まず医療機関で重大な問題がないか確認することが重要です。
そのうえで今回注目したのが、
「救急車に乗ってしばらくすると、強い痛みが軽減した」
という経過でした。
単純に時間経過によって軽減した可能性もあります。
一方で、救急車が到着し、、医療機関へ向かうという安心できる状況になったことで、身体の警戒が低下し、痛みが軽減した可能性も考えました。
今回のケースでは、
・8年前の寝違えをきっかけに始まった
・数か月に一度だけ強い痛みが出る
・数日から1週間ほどで消える
・病院の検査では大きな異常が見つからない
・救急車に乗った後に激痛が軽減した
という特徴がありました。
こうした経過から、単純に「どこかが壊れているから痛い」と考えるだけでは説明しにくい部分がありました。
そこで、首を動かすことに対する身体の警戒が過剰になり、それが強い痛みとして現れている可能性を考えて対応しました。
もちろん、これは一つの仮説です。
また、強い痛みがあるからといって「身体の警戒によるもの」と自己判断してよいわけでもあちません。
ただ、
「痛みが強い=必ず重症」
とも限りません。
重要なのは痛みの強さだけだはなく、
「いつから始まったのか」
「どんな時に起こるのか」
「どのくらい続くのか」
「何をすると変化するのか」
という経過を丁寧に見ていくことです。
繰り返す強い首の痛みに悩んでいる方は、痛みの強さだけに目を向けず、「なぜこの痛みを繰り返しているのか」という視点でも身体を考えてみてください。
当院の首の痛みに関する考え方、施術をもっと知りたい方は、首の痛みページを参照してください。
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