「隠れスマホ首」は気づかないうちにあなたの不調を招きます
最近、「段差もないところでつまづきやすい」「足がつりやすい」「身体の調子が悪く、動きがぎこちない」なんてこと、ありませんか?
あるいは「どんな治療をしても腰痛が良くならない」「急にあごが痛くなった」「痛みの原因が分からない」なんてことは?
それ、ひょっとしたら「隠れスマホ首」のせいかもしれません。
あなたの不調の原因がスマホ首のせいなのか?しっかりチェックして、対策していきましょう。
スマホ首の症状は首だけではない
「隠れスマホ首」という言葉は、実は僕が作った言葉です。ネットで検索しても現状では出てきません。
しかし、5年後、いや3年後には確実にスタンダードになってくる言葉です。間違いありません。
それくらい、スマホ首は皆さんの生活の中に、静かに、しかし協力に忍び込んできているのです。
「スマホ首」と「隠れスマホ首」の違いは、ひと言で言えば「自分の状態がスマホ首だと認識できているかどうか」にあります。
これには大きく分けて2パターンあります。
1つは、「首に近いところに症状があるか」です。肩こり、首痛、頭痛や背中の張りがあり、なおかつ首が前に出ていれば、たとえそのレベルが軽度でも「これ、スマホ首のせいかもしれない」と考えることができるでしょう。反対に、首から遠く離れた部位(例えば腰痛、坐骨神経痛)の原因がスマホ首だとは、一般的には考えにくいと思われます。あるいは「つまづきやすい」「身体の動きがぎこちない」といった症状でもスマホ首を連想するのは難しいと思われます。ですが、実はそういった症状の中にもスマホ首が原因となっているケースが多々存在します。
もう1つは、「自分がスマホ首だと思わない」場合です。スマホ首のレベルが軽度の方は、そもそも自分がスマホ首になっていることに気づかず、身体に起こる様々なサインを見過ごしてしまっているパターンが多いのです。
僕はこれらの状態をまとめて「隠れスマホ首」と定義し、分かりやすいスマホ首と同様に施術すべきものと考えています。
首や肩の問題にとどまりません
「スマホ首」と聞くと、首や肩の痛み・コリが思い浮かぶでしょう。しかし、実はスマホ首の症状はそれだけではありません。「隠れスマホ首」の問題は多岐にわたり、放置すると重篤な症状に繋がるケースもあります。
以下、一部をご紹介します。
・顎関節症…頭位の前方偏移により、舌骨(喉仏の骨)の前後に走る筋肉が慢性的に緊張します。それらはあごの関節の開閉に関与するため、噛み合わせが悪くなりあごの痛みや違和感、ガクガクした感覚が発生します。意識しないと口が半開きになるのも特徴の一つです。
・頭痛、目まい、吐き気…頸椎ストレート化による肩こり、首こりに伴って発生します。
・二重あご、たるみ、おでこのシワ、ほうれい線の増加…全体に老けた印象になります。
・小脳機能減退…頭位の前方偏移により、小脳がストレスを受けるため、的確な上肢の動きや下肢の安定をはかることが難しくなります。手の動きがぎこちなかったり、すぐ物を床に落としたり、段差のないような場所でもつまづきやすくなったりします。スクワットをすると足の指が浮きあがるのが特徴です。
・冷え性…頸椎ストレート化により中枢神経圧迫が起こるため、体内恒常性が不安定になり体温を維持する機能が減退し、冷えやすくなります。
・筋力機能亢進…中枢神経圧迫により、筋肉の動きを制御する力が働かず、常に身体に力が入っているような状態になります。不定な痛みや疲れのもとになり、足がつりやすくなったり、マッサージなどを受けるとかえって痛くなったりします。膝蓋腱反射(かっけの検査)で、ひざが大きく動くのが特徴です。
・腰痛、坐骨神経痛、下肢痛…やはり中枢神経圧迫により、身体の動きを統制する固有受容器の働きが鈍化します。身体をうまく使えないため筋肉の緊張が強まり、姿勢バランスを崩して腰痛や下肢痛の原因になります。悪化すると椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に発展することもあります。
ここまで読んで「ワタシの症状は、隠れスマホ首が原因なのかも?」と思ったら、まずは下記のセルフチェックで自分にスマホ首の要素があるかどうかを確認してみましょう。
スマホ首の程度と症状の強さは、一致するとは限りません。程度が軽くても症状が重いケースもたくさんあります。
軽度のスマホ首であっても、その要素が存在しているのならスマホ首対策をおこなうことをおすすめします。
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身体の力を抜き、壁に背を向けて立ちます。
「後頭部」「肩甲骨」「おしり」「かかと」の4点がピタッと壁につくのが正常なバランスです。
軽度のスマホ首は後頭部が壁につきませんが、少し力を入れればすぐにつきます。
中程度のスマホ首では、後頭部を壁につけようとすると苦しくなります。
重度のスマホ首では、無理をしても後頭部が壁につきません。
プロセスの理解が重要です
自分が「隠れスマホ首」だと感じたら、まずは自分で治す努力をしてみましょう。
この場合、その方法は通常のスマホ首対策と同じ方法になります。
つまり、「スマホ首の原因をよく理解し」「スマホ首になるプロセスと関わる筋肉や関節、骨を理解し」「それぞれに対して対策する」ことです。
スマホ首はなぜ起きるのでしょうか?
「スマホの見すぎで首が前に出るからでしょ?」
残念ながら、そんなに簡単なものではありません。
ごく簡単に説明すると、スマホ首とは「視線を下に向けるための身体の工夫」です。そのために身体の中のたくさんの器官が働き、結果として痛みの症状を引き越すような歪みを生み出してしまうのです。
全てを記すと大変な量になってしまいますが、ざっと羅列すると
①眼球を下方に動かす筋の過緊張
②神経頭蓋(上あご以上の頭蓋骨)の緊張(動かない)
③後頭骨-第1頸椎、第1-第2頸椎の緊張(動かない)
④第2頸椎以下の動き(上位の頸椎に対し下位の頸椎が後方に動くイメージ)
⑤上位胸椎の動き(首だけではまかなえない)
⑥頸椎前弯の減少(ストレートネック化)
⑦頭位が前方に変位する→スマホ首の完成
と、なります。もちろん、ここに頸部や頭、背中を取り巻く筋肉の緊張・偏移が起こります。
上記を踏まえたうえでの対策が必要なのです。
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残念ながら、まだ「隠れスマホ首」という概念は一般的ではありません。
つまり、多くの施術院で、痛みの原因が実はスマホ首からきていることを理解しないで施術をしていることが多いのです。
例えば腰痛の場合は腰痛の施術だけをおこなう。
例えば足がつりやすい場合は足の施術だけをおこなう。
これでは本当の原因にアプローチできず、何年経ってもあなたの症状は根本的な改善には至りません。
「隠れスマホ首」の施術は、
・症状の原因となっている首の環境を整えるアプローチ
・スマホ首を起こした原因を全身から解析・対策するアプローチ
・上記をクリアした上で、痛みのある部位の微調整
が必要になってきます。
これらの仕組みをよく理解し、実践してくれる施術院を探すことが重要です。
竹井 大介(たけい だいすけ)
柔道整復師、AKSテレ療法®認定セラピスト、整体師。
2011年、東京都大田区大森にて、首専門の施術院「さくら整骨院」を開業。ストレートネック、頸椎ヘルニア、スマホ首、首痛、頭痛、目まい、吐き気、手のしびれ・麻痺、自律神経失調症、メンタル疾患など、首に関する重篤な疾患を数多く手がけ、改善させてきた実績を持つ。
プライベートではロックDJや小説家の顔を持つ、異色の施術家。
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