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坐骨神経痛の施術に当たっていると、しばしば「間違った知識」を擦り込まれている方に多く遭遇します。これらの知識は整形外科、一部の整体院、そしてメディアの影響によるところが大きく、坐骨神経痛を「根本的に改善」させるうえで大きな妨げになっています。

坐骨神経痛に対する正しい知識を身につけ、間違った情報に振り回されず、あなたの坐骨神経痛を根本から改善させていきましょう。

坐骨神経痛は薬では治らない

坐骨神経痛を訴えて整形外科を受診すると、多くの方が薬を処方されます。

リリカ、トラムセット、ロキソニンなどのいわゆる「痛み止め」が中心となります(他、ビタミン剤など)。

ところが、2012年にオーストラリア・シドニー大学で発表された、今までの世界中の坐骨神経痛に関するデータを集計した論文によると

坐骨神経痛への薬物療法に質の高いエビデンス(科学的根拠)はない

という結論が出されています。

これは、被験者に対して、いわゆる痛み止めの薬と偽薬(無害なブドウ糖の錠剤など)をグループごとに与え、症状の変化を比較するような治験になります。

その結果、痛み止め・偽薬ともに、大きな症状の差がみられないというのが結論なのです。

このような論文は過去にも数多く提出されており、一貫して痛み止めは坐骨神経痛を改善させる役には立たないというデータを生み続けています。

それなのに、整形外科では、坐骨神経痛には痛み止めを処方するのが一般的であり、受ける側も違和感なくそれを受け入れているのが現状です。

この間違ったすり込み、間違った対応の仕方が続く限り、長く坐骨神経痛に悩む方は後を絶ちません。

「神経が圧迫されて痛む」は間違い

皆さんが坐骨神経痛をイメージする時に、次のような説明が頭に浮かぶのではないでしょうか。

 

坐骨神経が圧迫されて、痛みを起こしている

 

えっ、違うの?と、思う方もいるでしょう。それだけ、自然なことのように思えますよね。

ですが、実はこのイメージも、坐骨神経痛がなかなか治らない理由の一つになっているのです。

それは「坐骨神経を圧迫する因子」にあります。

坐骨神経を圧迫する因子として、皆さんが思い浮かべるのは、突出したヘルニアや変形といった、「動かない」因子です。これらの因子が坐骨神経に触れることで、腰や足に痛みが出ているという感じですよね。

言ってしまえば、「トゲが刺さっている」ような状態と言い換えられます。

一方、坐骨神経の痛みは日内変動を感じる方が非常に多くいらっしゃいます。つまり、一日の中で痛みが強い時と比較的良い時がある。その他、お風呂に入ったら楽になる、安静にしたら楽になる、など、痛みに変化が起きる方がほとんどです。

なんか、変じゃないですか?

トゲが刺さった経験は皆さんおありだと思いますが、トゲが刺さった状態って、時間によって痛みは変化しますか?お風呂に入って楽になりますか?

恐らく、刺さっている限り痛みは続くはずです。

変ですよね?何かが圧迫しているのに、痛みが変化するなんて。

つまり、坐骨神経痛を起こす原因は「因子による神経の圧迫」ではない、ということです(もちろん、そういった因子があるせいで「坐骨神経痛が出やすい状態」にはなります)。

痛みに変動があるということは、その因子もコンディションによって常態が変化するものでなければ理屈が通りません。

そう、「関節」「筋肉(筋膜を含む)」です。

関節・筋肉の不良状態…単に「固まっている」「凝って硬い」というだけでなく、姿勢や周囲で拮抗する筋肉のアンバランスなども含め、コンディションの悪化が坐骨神経痛を引き起こす大きな要因となります。

単純な圧迫ではなく、関節・筋肉のコンディション不良による

こう考えると、今まで受けていた施術でなぜ良くならなかったのか、これから何をすればいいのかが見えてきます。

「坐骨神経痛」ではなく「身体のエラー」を治す

骨神経痛という病気はありません。坐骨神経のラインに沿って痛みが発生する症状をひっくるめて「坐骨神経痛」と呼んでいるだけで、単一の病態ではないのです。

椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症変形性腰椎症なども、坐骨神経痛を起こす疾患として名前が上がります。

しかし、ここまで書いてきたように、坐骨神経痛を起こす本当の原因は、これらの圧迫因子ではありません。坐骨神経症状の有無を左右するのは、そもそも「坐骨神経痛を起こすに至ったような姿勢」であり、「姿勢不良を起こした身体のエラー」にあります。

つまり、この「身体のエラー」を修正してしまえば、

「ヘルニアがあること」

「変形があること」

「脊柱管狭窄を起こしていること」

は、あまり関係なく、痛みやしびれのない状態を作りだすことが期待できるのです。

だから、冒頭のMRI画像の方は、あれだけ高度の変形が起きているにもかかわらず痛みの無い生活を送ることができるようになっています。

つまりは、

坐骨神経痛という言葉に惑わされるな!

なのです。

この記事を書いた人

竹井 大介(たけい だいすけ)

柔道整復師、AKSテレ療法®認定セラピスト、整体師。

2011年、東京都大田区大森にて、首専門の施術院「さくら整骨院」を開業。ストレートネック、頸椎ヘルニア、スマホ首、首痛、頭痛、目まい、吐き気、手のしびれ・麻痺、自律神経失調症、メンタル疾患など、首に関する重篤な疾患を数多く手がけ、改善させてきた実績を持つ。

プライベートではロックDJや小説家の顔を持つ、異色の施術家。

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